塩尻のブドウが美味しい理由
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塩尻ブドウの歴史
約130年前にはじまった塩尻ワイン
塩尻のブドウが美味しい理由の前に、まずは歴史を紐解いてみます。
今から約130年前の1890年(明治23年)に、豊島理喜治(とよしまりきじ)が塩尻の地でブドウ栽培を始めたのが、塩尻ワインの歴史の始まりといわれています。
多数のブドウの品種を定植しましたが、塩尻の風土のマッチしたのが、現在の塩尻ワインを代表するナイアガラとコンコードであったといわれています。
その後、現在の塩尻を代表するワイナリーの創設者たちが、桔梗ヶ原に入植し、本格的なブドウ栽培が始まりました。
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昭和のワインブーム
農園のある床尾地区は松本平最南端に位置し、北流する奈良井川の扇状地上に立地しています。
南に鳴雷山(1093.5m)がそびえ、東に八幡山、西に石灰山等の山々に囲まれ、北に緩やかに傾斜して桔梗ケ原台地に続いています。 桔梗ケ原の向こうには雄大な北アルプスの峰々を望むことができます。
東北には山容の美しい比叡ノ山があり、その北には国史跡の平出遺跡が広がっています。
西は石灰山等の山々に囲まれ、この石灰質土壌は、特殊なミネラルを与えてくれます。 -
「塩尻ワイン」の名が世界へ
平成の時代では、本格的なワインのニーズも高まりから、赤ワインにはメルローやマスカット・ベーリーAなどのブドウを使った醸造が盛んになっていきました。
平成元年、スロベニアで開催された世界的に権威のある「リュブリアーナ国際ワインコンクール」にて、桔梗ヶ原で醸造されたメルローの赤ワインが、大金賞を受賞し、塩尻ワインは一気に世界へ知られるようになりました。 -
これからも
愛され続けるワインを令和の時代に入った現在でも、塩尻ワインは多くの人々に愛され、国内外のコンクールでも高評価を受け、日本屈指のワイン銘醸地として広く知られています。
塩尻のブドウが
美味しい4つのポイント
塩尻のブドウが美味しい4つのポイント
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Point01日照時間
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Point02降水量
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Point03寒暖差
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Point04土壌
01.日照時間が長い
塩尻市は、全国平均よりも年間の日照時間が長いため、ブドウの糖度や酸度を高めるのに適しています。
特に、春~秋にかけてのブドウが育つ季節は日照時間が長いため、ワインブドウの生育に適した地といえます。
- 塩尻
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02.降水量が少ない
塩尻市は、晴天率が高く年間の降水量が少ないため、ワインブドウの生育に適しています。
特に、夏~秋にかけてのブドウの収穫時期に雨が少ないことも特徴のひとつです。
- 塩尻
- 東京
03.寒暖差が大きい
塩尻市は、松本盆地の最も南に位置しています。
盆地特有の気候条件で、太陽が当たると気温が上がり、太陽が沈むと気温が下がるという、標高700m以上で起きるこの現象が、昼夜で大きな寒暖の差を生むのです。
この寒暖差こそが、赤いブドウはより黒く、白いブドウは黄色みがかった綺麗な色へと導き、美味しいワインになるのです。
- 塩尻
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04.水はけのよい土壌
塩尻市に限らず、長野県内にはいたるところに傾斜地があるため、雨が降っても水はけに有利です。
また、透水性の高い、大小の河川が運んだ小石や砂混じりの土壌も各地に広がっています。
塩尻市の桔梗ヶ原は、火山灰の土壌でありながら、小石混じりの礫層に火山灰が堆積しているため地下水位が低く、水はけが良好なのが特徴です。傾斜地と土壌の質とが相まって、水はけの良い畑を生み出しています。
塩尻で育つブドウたち
ベリービーズワイナリーで取り扱っている品種をご紹介
ベリービーズワイナリー主力のブドウ ナイアガラ
ニューヨーク州ナイアガラ・カウンティで育種されたアメリカ系品種。
日本へは「ワインの父」と呼ばれる川上善兵衛氏により1893年(明治26年)頃にもたらされたと言われます。
食味…香りが強いだけでなく、果汁が多く糖度も20度を超えてとても甘いのが特徴です。
また、皮が薄く長距離・長時間の流通に向かないため、ワインやジュースとして加工される事がほとんどです。
選ぶポイント…ナイアガラは完熟に進むにつれて果皮が緑色から黄緑色に移行します。運よく食用として手に取る機会があったら、ほかのブドウと同じく果皮にブルームと呼ばれる白い粉があり、より黄色がかったものを選ぶのが美味しいナイアガラを選ぶポイントです。
当ワイナリーのワイン「グリーンハーベストブラン」はナイアガラの強すぎる香りを抑えるために、敢えて完熟前のブドウを摘み取って醸造したワインです。このような醸造方法を取る事でナイアガラ独特の癖を抑えながらもお食事により合わせやすいワインを醸造しております。
ワイン作り当初主流だったブドウ コンコード
アメリカ系ブドウの中でも最も古くから栽培されてきたラブルスカ種で、アメリカではワインとして醸造されるよりジャムやジュースや生食として親しまれていますが、日本ではほとんどがワインとなり、その多くは長野県で生産されています。
食味…香りがとても強く、かめば果汁とともに強い甘みと酸味が広がる今どきのブドウにはないどこか懐かしい特徴があります。
コンコードから造られるワインは、香り高く渋みが少ないため甘口・辛口を問わずとても飲みやすいワインが多いのが特徴です。
今では様々な種類が作られる桔梗ヶ原ですが、塩尻でワイン造りが始まった当初はこのコンコードが主流でした。
また、世界的に有名なウェルチ社のグレープジュースはこのコンコードから作られており、その本社もコンコード種発祥の町「マサチューセッツ州コンコード」にあります。
世界的にも人気の品種 メルロー
全世界での栽培面積がカベルネ・ソーヴィニヨンに次ぐ世界2位ととても人気のあるブドウ品種の一つです。
環境適応力が高いため、日本でも最も広く栽培されており、特に近年、長野県塩尻市は内陸性気候で昼間と夜の寒暖差が大きい事もあり、メルローの名産地として注目されています。
食味…早熟でありながら色が濃く、プラムやカシスなどの熟した黒い果物に例えられる香りを持ち、酸味は強くない特徴があります。
メルロー単体のワインは「シルキー」や「なめらかな」という表現をされるように、スムーズでエレガントなワインとして人気があります。また、他品種とブレンドされる事も多く、特に個性の強いカベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランとのブレンドワインは全体的にバランスの取れたワインと評され、世界的に人気があります。
白ワインの女王 シャルドネ
ブルゴーニュの白ワイン品種でその適応性の高さから世界各地のワイン産地で広く栽培される国際的品種の一つです。
世界的に知名度も人気も高く、『白ワインの女王』とも呼ばれるシャルドネはシャンパーニュの原料としても有名です。
特徴…ブドウ品種としての個性的な風味は少ないですが、その分だけ育った土地の気候風土やつくり手の採用する醸造技術・道具などの影響が強く味わいに反映されるのも特徴です。
強烈な個性はありませんが、果実味、酸、ボディといった白ワインを構成する重要な要素はしっかりと持っているので、10~20年の長期熟成にも耐えうる白ワインを醸造する事もできます。
日本国有の黒ブドウ品種 マスカットベ-リーA
ブドウの生育に生涯をかけた川上善兵衛氏によって1927年に開発された黒ブドウ品種です。
歴史…アメリカ系ブドウ品種のベーリー(Bai-ley)とヨーロッパ系ブドウ品種のマスカットハンブルグ(Muscat Hamburg) の交雑育種で生み出されたブドウで、1940年に正式に発表されました。
その後、2013年にO.I.V.(Office International de la vigne et du vin 国際ブドウ・ワイン機構)に品種名が登録されるなど、今後の日本ワインにおいてまずます重要な存在になっていくであろう注目品種です。
特に最近ではマスカットベーリーAを使ったワインに含まれるストロベリーのような甘い香気を放ち、果実感を向上させる「フラネオール」を増加させる栽培・収穫方法に注目が集まり、マスカット・ベーリーAはさらに目覚ましい品質向上を遂げています。
食味…ワインにすると、甘いキャンディ香があり、渋みは比較的穏やかに仕上がります。